つい食べすぎてしまう。
スマホをだらだら触り続けてしまう。
やめたいのに、なぜかやめられない。
日常には、そんな「10分もいらないけれど、確実に自分を削る欲」がある。
ぼくは、そんな瞬間を少しでもやり過ごすために、3分だけのテトリス風パズルゲーム「3分ブロック」を作った。
3分ブロックとは?



3分ブロックは、3分間だけハイスコアに挑戦するテトリス風パズルゲームだ。
- 落ちてくるブロックをそろえて消す
- ブロックが積み上がるとゲームオーバー
- 積み上がらなくても、3分経つとゲーム終了
長く遊ぶゲームではない。
むしろ、長く遊ばせないために3分で終わるようにしている。
「とりあえず3分だけ別のことをする」
そのための、小さな逃げ場として作ったアプリだ。
なぜこのアプリを作ったのか
ぼく自身、なんとなく食べ続けてしまったり、ネットサーフィンをやめられなかったり、やり続けたあとに後悔することが何度もあった。
我慢しようと思っても、我慢だけではしんどい。
気合いや根性だけで押し返す方法は、その場ではどうにかなっても、続きにくい。
そんなときに知ったのが、「テトリスのようなパズルゲームをすると、欲求が弱まる可能性がある」という研究だった。
だったら、ただ耐えるためのアプリではなく、欲のピークをやり過ごすためのゲームを作れないだろうか。
そう考えて作ったのが「3分ブロック」だ。
今回のアプリは、生成AIやCodeX、ChatGPTの力も借りながら形にした。
個人でも、思いついたものを試作品で終わらせず、実際に公開まで持っていける時代になったんだなと思う。
なぜパズルゲームで欲をリセットしやすいのか
ここは少しだけ理屈の話になる。
欲求は、ただ「欲しい」と思うだけではなく、頭の中でその対象をイメージし続けることで強くなりやすいと言われている。
たとえば、食べ物なら味や匂い、スマホなら見たい画面や通知、夜ふかしなら「もう少しだけ」の快感を、頭の中でふくらませてしまう。
このとき関係しているのが、ワーキングメモリ、とくに視空間的な情報を一時的に扱う認知資源だ。
テトリスのようなパズルゲームは、この視空間ワーキングメモリをかなり使う。
ブロックの形、位置、回転、落下先を短時間で考え続けるからだ。
その結果、欲求を強めるために使われるイメージの入り込む余地が少なくなり、欲の強さ・鮮明さ・しつこさが少し下がる可能性があると考えられている。
実際に、テトリスをプレイすることで自然に生じた craving の強さや頻度、鮮明さが下がったという研究や、日常生活の中でも食べ物・薬物・活動への 欲求が下がったとする研究が報告されている。
もちろん、これは万能な方法ではない。
気分や状況によって効き方は違うし、医療行為の代わりになるものでもない。
ただ、「欲を真正面から殴りにいく」のではなく、別の集中でやり過ごすという考え方は、かなり実用的だと思っている。
3分ブロックで大事にしたこと
1. 3分で必ず一区切りつくこと
このアプリは、積み上がっても終わるし、3分経っても終わる。
それは不親切だからではなく、「短く終われること」自体が目的だからだ。
欲が動いたときに必要なのは、30分の大作ではなく、まず数分の逃げ場だと思っている。
2. カレンダー機能で「その日の自分」を見返せること
ぼくが個人的に気に入っているのは、カレンダー機能だ。
その日プレイしたかどうか、どの日にスコアが高かったかが見える。
毎日見返していると、「今日は少し集中できたな」とか「昨日はなんだか調子がよかったな」みたいに、その日の自分の状態がなんとなく見えてくる。
ゲームの記録というより、自分のコンディションの記録に近い。
3. シンプルで、すぐ始められること
欲が動いているときは、複雑な説明を読む余裕がない。
だから「開いたらすぐ遊べる」「3分で終わる」「考えなくていい」を優先した。
こんな人におすすめ
- なんとなく食べ続けてしまうことがある人
- 寝る前にスマホを触り続けてしまう人
- やめたいのに、やめられない感覚に疲れている人
- 短い時間で頭を切り替えたい人
- パズルゲームは好きだけど、長時間プレイはしたくない人
注意しておきたいこと
このアプリは、欲を完全に消すものではない。
また、医療や治療を目的としたアプリでもない。
あくまで、衝動のピークを少しやり過ごすための道具として作っている。
「やめなきゃ」と自分を追い込む代わりに、「とりあえず3分だけ別のことをする」という選択肢を増やすためのものだ。
まとめ:欲が動いたら、まず3分
つい食べすぎる。
ついスマホを触り続ける。
やめたいのに、なぜかやめられない。
そんなとき、正面から我慢するのではなく、3分だけ別の集中をつくる。
そのために、このゲームを作った。
自称ADHD気味で集中が散りやすい人や、食べ物・スマホ・夜ふかしの衝動に流されやすい人にも、ひとつの選択肢として試してもらえたら嬉しい。
欲が動いたら、まず3分。
参考文献
- Skorka-Brown, J., Andrade, J., & May, J. Playing ‘Tetris’ reduces the strength, frequency and vividness of naturally occurring cravings. Appetite. 2014.
- Skorka-Brown, J., Andrade, J., Whalley, B., & May, J. Playing Tetris decreases drug and other cravings in real world settings. Addictive Behaviors. 2015.
- Lau-Zhu, A. et al. Selective Association Between Tetris Game Play and Visuospatial Working Memory. 2017.
- May, J. et al. The Elaborated Intrusion Theory of Desire: A 10-year retrospective and implications for addiction treatments. Addictive Behaviors. 2015.
