最近、「なんか頭が働かない」「やる気も出ないし、何を考えてもまとまらない」——そんなふうに感じる日はないだろうか?
ちゃんと寝たはずなのにぼんやりする。休んでもスッキリしない。そんな状態が続いているなら、それは単なる怠けや疲れではなく、『ブレインフォグ』という状態かもしれない。
ブレインフォグとは何か?
ブレインフォグは、日本語では「脳の霧」とも呼ばれる。医学的に明確な定義はないが、多くの人が「思考が鈍る」「集中できない」「記憶があいまいになる」といった共通の感覚を訴えている。
特に20〜40代の、仕事や家事、SNSや情報に常にさらされている世代にとっては、決して珍しいことではないだろう。
主な症状
- 頭がぼんやりして集中できない
- 思考力や判断力が落ちる
- 言葉がうまく出てこない
- 短期記憶があいまいになる
- 常に眠い、だるい
「なんとなく不調」だけど、風邪でもうつでもない——その正体がブレインフォグだった、という人も多い。
なぜ起こるのか?ブレインフォグの原因
では、ブレインフォグの原因は何なのだろうか?
実はこれ、ひとつに絞れないのが厄介なところ。原因は人によって複雑に絡み合っている可能性がある。
1. 睡眠の質が悪い
ただ眠っているだけでは回復しない。「スマホを見ながら寝落ち」や「夜中に何度も目が覚める」など、睡眠の“質”が低下していると、脳が十分に休めず霧が晴れないまま朝を迎えてしまう。
2. 情報過多とデジタル疲労
SNS、ニュース、動画……一日中スマホに触れていると、脳が処理する情報量は膨大になる。インプットばかりでアウトプットできないままでは、脳がオーバーヒートしてしまうだろう。
3. 栄養不足やホルモンバランスの乱れ
鉄分、ビタミンB群、オメガ3脂肪酸など、脳に必要な栄養素が不足していると、思考や感情のコントロールに影響が出てくる。女性であればPMSや更年期などの影響もあるだろう。
4. ストレス・不安・うつ傾向
精神的な負荷が続くと、脳は「戦うか逃げるか」モードになり、冷静な思考ができなくなる。慢性的なストレスは、脳にじわじわと霧をかけていく。
「生きづらい」と感じる人ほど陥りやすい
とくに真面目でがんばり屋な人ほど、「調子が悪い=自分のせい」と思ってしまいがちだろうか。無理にがんばり続けて、気づいたときにはブレインフォグが慢性化していた——そんなケースもある。
「ちょっと休めば治るだろう」と見過ごしていると、日常生活の質が下がるだけでなく、心身の不調にもつながりかねない。
ブレインフォグの改善法
すぐに劇的に改善する方法は少ないが、積み重ねていけば霧は少しずつ晴れていくだろう。
1. 朝に光を浴びる
体内時計を整えるために、朝起きたらまずカーテンを開けること。曇りでもいい。外の光を浴びるだけで、脳が「今は活動の時間だ」と認識してくれる。
2. 食事を“脳が喜ぶ”ものに
甘いものやカフェインに頼りがちだが、タンパク質・鉄分・ビタミンB群を意識的にとるだけでも脳の栄養バランスは整いやすくなる。サプリに頼るのも手だろう。
3. デジタルデトックスを意識する
1日5分でもいい。スマホを手放す時間をつくってみる。「今、自分の頭で何を考えているか」に意識を戻す時間を意図的に入れることで、思考のクリアさが戻ってくることがある。
4. 小さな“できた”を積み上げる
何もできない日ほど「歯を磨けた」「シャワーを浴びられた」といった小さな行動を肯定していく。霧の中でも、自分なりの“軌跡”を確認することが、回復の足がかりになるのではないだろうか。
「脳が疲れてるだけ」と知ることが、希望になる
もし今、何をしてもモヤモヤしていて、頭が働かないと感じているなら、「それは自分が悪いのではない」とまず認めてあげてほしい。
脳が疲れているとき、必要なのは「気合」ではなく「いたわり」だろう。霧はいつか晴れる。焦らなくていい。
そしてそのための第一歩は、「もしかしてこれ、ブレインフォグかも?」と気づくことなのかもしれない。
この記事が、あなたの“なんとなくしんどい”を少しでも軽くできたなら嬉しい。
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