「またスマホを触っていた」「気づいたらゲームで夜更かし」……そんな日が続くと、自分って本当にダメだなと落ち込んでしまうこともあるだろう。とくにADHD傾向のある人は、この“ハマり癖”や“抜け出せなさ”に悩んでいることが多いかもしれない。
でも、ちょっと視点を変えてみよう。実はその“依存傾向”こそが、うまく使えば強みになることもあるのだ。
ADHDと依存傾向の関係とは?
ADHD(注意欠如・多動症)の人が、性欲・スマホ・ゲーム・ギャンブルなどに依存しやすい背景には、脳の特性があると言われている。
- 報酬系が刺激を求める:ドーパミンが出にくく、強い刺激に反応しやすい。
- 自己制御の苦手さ:目の前の快に飛びつきやすい。
- 退屈への耐性が低い:「暇」が苦痛になりやすい。
だからこそ、スマホやSNS、アダルトコンテンツ、ゲーム、パチンコなど「短期的に強い快感が得られるもの」に没頭しやすくなる。
“没入力”という強み
一度ハマったものに対して、ものすごい集中力を発揮する——これはADHDの“没入力(ハイパーフォーカス)”と呼ばれる特性だ。
一見「依存」と紙一重だが、このハマりやすさは、本来悪いものではないはずだ。問題は、ハマる対象を「自分にとってリスクが高いもの」にしてしまっていることではないだろうか?
ADHDの依存傾向を“武器”に変える方法
1. ハマる対象を意識して選ぶ
まずは自分がハマりやすい対象を把握しておこう。
例:「ゲームにハマりやすい」→勉強アプリやタスク管理アプリを“ゲーム感覚”で使う
いきなり「やめよう」とするのではなく、同じ脳のクセを“プラス方向”に流すイメージだ。
2. “制限”ではなく“仕組み化”で向き合う
意志の力に頼りすぎると、リバウンドや罪悪感につながりやすい。
例:「YouTubeを見すぎる」→仕事が終わるまでは“物理的にブロック”するアプリを導入する
仕組みで行動をコントロールする方が、エネルギーを消耗しにくくて続けやすい。
3. “報酬”を上手に使う
ADHDの脳は“報酬(ごほうび)”に敏感だ。だから、行動の先に“快”を用意しておくと動きやすくなる。
たとえば「30分タスクに集中できたら、好きなスイーツを食べる」など、小さなごほうびでも効果的だ。
ADHDの特性を活かして生きている人も
たとえば、あるYouTuberは「依存気質でYouTubeにハマりすぎて、逆に投稿者側に回ってしまった」と語っていた。
また、プログラミングやデザインなどの分野でも、「一度ハマったら寝食を忘れるくらい集中できる」ADHD特性が武器になっている人もいる。
“依存”を“没頭”に変えられる環境さえあれば、その特性は圧倒的なパフォーマンスを生むのだ。
まとめ:「依存=悪」じゃない。使い方次第
ADHDの依存傾向は、たしかに生活の中で困る場面も多い。だけど、それを無理に抑え込もうとするより、「どう活かすか?」にフォーカスしたほうが、きっと生きやすくなる。
自分の脳のクセを責めるのではなく、うまく付き合っていく道を探す。
その一歩が、これからの自分を少し楽にしてくれるのではないだろうか。
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