「自分の貯金、少なすぎるのだろうか?」
「同年代はどれくらい持ってるんだろう?」
こういう不安は、真面目に生きてる人ほど刺さりやすいだろう。
ただ、ここで最初に言っておきたい。“平均”だけ見ると、ほぼ全員が負けた気分になる。
なぜなら貯金(金融資産)の分布は偏りが強く、一部の高資産層が平均を押し上げるからだ。
だからこの記事では、平均だけでなく、より実感に近い中央値もセットで見ていく。
体力を極力使いたくない30代男性として、精神HPを削らない見方でいこう。
そもそも「貯金」と「金融資産」は同じなのだろうか?
ネット記事で「貯金」と呼ばれている数字は、統計上は金融資産として扱われることが多い。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査では、金融資産を「運用のため、または将来に備えて蓄えている部分」とし、日常の引き落とし等に備える分は除く、といった趣旨が明記されている。
この記事の前提:
「貯金額=金融資産(将来の備えとしての資産)」として、平均・中央値を確認する。
※財布の現金や生活口座の“今月の支払い用”まで含めるかどうかで見え方がブレるため、統計で一般的な定義に寄せる。
【結論】20代・30代の平均と中央値(単身/2人以上)
まずは数字を置く。ここで大事なのは、平均と中央値の差だろう。
| 年代・世帯 | 平均 | 中央値 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 20代(単身) | 121万円 | 9万円 | 中央値が極端に低い=「持ってない側」が分厚い |
| 20代(2人以上世帯) | 249万円 | 30万円 | 世帯合算で増えるが、それでも中央値は現実的 |
| 30代(単身) | 594万円 | 100万円 | 平均は跳ねるが、中央値は“地に足”がついている |
| 30代(2人以上世帯) | 601万円 | 150万円 | 家計単位だと中央値が少し上がる |
上記は金融機関等が「家計の金融行動に関する世論調査」データをもとに紹介している代表値(平均・中央値)。
平均と中央値がこんなに違うのはなぜだろう?
20代単身の中央値が9万円、平均が121万円。
この差は「計算ミス」ではなく、資産の偏りが原因だろう。
- 貯めるのが得意な人は、早い段階で一気に増やす
- 逆に、生活がギリギリな人は、ほぼゼロに近い期間が長い
- その結果、真ん中(中央値)は低く、平均だけが高く見える
つまり、平均を見て「自分は終わりだ…」と感じるのは、だいたい勘違いだ。
比較するなら中央値を主軸にしたほうが、心が折れにくいだろう。
あなたの貯金額は“勝ち組”なのだろうか?ゆるい判定基準
ここでいう“勝ち組”は、マウントの話ではない。
「将来の不安を減らせる状態」という意味での、生活の安定だ。
判定の目安(ざっくり)
- 20代:「中央値(9万〜30万)を超えてる」なら、まず普通に健闘だろう
- 30代:「100万〜150万」を超えてくると、急に現実が安定しやすい
- “勝ち”の本質:金額よりも「増える仕組み」があるかどうか
※家賃・家族構成・奨学金・地域差で前提が変わるため、ここは“目安”として読む。
20代・30代で貯金が増えない人の共通点は何だろう?
生きづらい人ほど、貯金が増えない理由は「怠け」よりも構造にあることが多い。
① 固定費が強すぎる(家賃・通信・サブスク)
固定費は、毎月あなたの体力とお金を自動で削る。
しかも一度設定すると放置しがちだ。虚弱寄りの人ほどここをやられるだろう。
② “ご褒美支出”が止まらない
疲れていると、脳は短期報酬に寄る。コンビニ、デリバリー、課金。
これは意思の弱さというより、回復不足のサインだろう。
③ 貯金を「余ったらやる」にしている
余らない。たぶん一生余らない。
先に取らないと、生活はその分だけ膨張するだろう。
体力を使わずに貯金を増やす:20代・30代の“省エネ貯蓄”7手順
ここからは、根性不要のやり方だけを書く。
やることは「一度設定して、あとは放置」だろう。
- 目的別口座を2つ作る(生活用/貯める用)
- 給料日に自動で移す(先取り貯蓄)
- 金額は小さく始める(月3,000円でもいい)
- 固定費を年2回だけ点検する(通信・保険・サブスク)
- コンビニ回数の上限を決める(週1など)
- “疲れ課金”の代替を用意する(冷凍食品・まとめ買い)
- 増えたら少しだけ上げる(自動積立の額を微増)
ポイント:貯金は「気合い」ではなく「配線」だ。
一度配線できれば、あなたが弱っていても勝手に増えていく。
まとめ:平均に殺されず、中央値で自分を救う
20代・30代の貯金額は、平均だけ見ると不安が増える。
だが中央値を見ると、「自分はそこまで終わってないかも」と思える人も多いだろう。
そして本当に大事なのは、今の金額よりも増える仕組みだ。
体力が少ない人ほど、仕組み化の恩恵が大きい。
今日、月3,000円の自動移動を作れるかどうか。それが未来の差になるだろう。
参考:家計の金融行動に関する世論調査(J-FLEC)では金融資産の考え方・調査設計が示されている。


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